こんにちは!塾長の坂根です。
今回は、「勉強できる・賢くなる」ためにはどうすればいいのか、どのような教育を家庭ですればいいのか、塾講師歴10年以上の私が経験をもとにお伝えします。以前の『自称進学校のからくり』の記事でも書きましたが、難関大学に合格できるかどうかは小学校~中学1年ぐらいでほぼ決まります。もちろん、中学生や高校生になって勉強を頑張ったという人もいますが、そのような人でも「勉強ができる頭脳」は小学校ぐらいで決まっていたんです。単純に今まで勉強をしてこなかったから、本気を出したら大学受験がうまくいっただけなのです。では、その大事な「小学校高学年」までに具体的に何をすればいいのでしょうか。
小学校就学前にすること
まずは小学校に入るまでにした方がいいこと(習慣)からいきましょう。まず1歳から2歳のいわゆる「年少さん」の間は、「大人の言葉で話かける」ことです。どうしても赤ちゃん言葉(まんま、ブーブーなど)を使いがちなのですが、できるだけ普段大人が使う言葉(ごはん、車)で話しかけることで、正しい言葉を使うのが早くなります。人間は言葉そのものと意味を知らずに生まれ、日々の生活の中で周囲の人間が話す言葉と意味・行動を一致させていきます。ということは、最初から正しい言葉で話しかけた方が圧倒的に意味を一致させるのが早いですよね。
言葉がある程度わかるようになる3歳から4歳の「年中さん」の間は、とにかく「読み聞かせ」です。「保育園や幼稚園でやってるじゃないか」と思われるかもしれませんが、親・兄弟といった肉親がやることに大きな意味があるのです。子どもというのは、普段一番接している人の「真似」をするものです。だからこそ、お父さん・お母さんのような保護者にあたる人が読み聞かせをした方が子どもの興味が自然と「文字」に向かっていきます。なので、「時間がないから」「疲れているから」といった理由でYouTubeなどの音源で読み聞かせはしないでください(一緒にその動画を見るならいいですが)。
「年長さん」と言われる年齢になってすることは、「絵本を自分で読む」ことです。読み聞かせをたくさんしてあげると、だんだんと自分だけで絵本を読むようになります。私の経験上、小学校入学前の時点で絵本をたくさん自分で読んでいるお子さんはかなり学力が高いです。小学校就学前の時点でひらがなやカタカナが読めるというのは、同世代のお子さんよりもかなりのアドバンテージがあります。ひらがなが読めるようになったら自分で文字を書くようになり、次に数字や漢字に興味が湧いてきます。絵本をたくさん読んでいると語彙力も高まるのはもちろんですが、想像力も豊かになっていきます。この「想像力」は絵を描くことや文章を書く力以外に、数字や理科といった理系科目の内容をイメージする力にもなるのでかなり大切な力です。
以上のことから、塾講師の私が言うのもなんですが、小学校就学前は幼児教育の塾に通うお金を出すくらいなら、絵本をたくさん買ってあげた方がいいですよ。「かさばる」とか「絵本に飽きたら絵本が邪魔」のような理由で絵本を買うことをためらうと、今後のお子さんの勉強に支障が出ると言っても過言ではないです。図書館で借りるなり、不要になったらメルカリで売るなりすればいいことですから。
小学生になったらすること
小学生になったら、絵本は卒業して「図鑑」と「マンガ」を読むようにお子さんにすすめましょう。「図鑑はわかるとして、マンガなんていいの?」と思われる方もいると思いますが、ちゃんと理由はあります。
まず図鑑ですが、小説や物語を読むよりも図鑑を眺める方が圧倒的に読解力と思考力が高まります。私の塾に通う生徒さんで、学力レベルがかなり高い生徒さんたちの共通点が「小さい頃から図鑑を読んでいた」ことです。図鑑の一番の特徴は情報量が多いことです。文章だけでなく、写真や絵も載っています。また、図鑑は難しい用語もあるのでその意味を調べたり、他のことに興味を持ったりと知的好奇心をくすぐるのにもってこいです。とくに、お子さんに理系方面に進んでほしい保護者の方は、ぜひお子さんに図鑑を買ってあげて下さい。
次にマンガですが、なぜマンガを勧めるかというと、図鑑と同じく文章と絵があるので情報量が多いこと、子どもの年齢ではわからない用語が出るのでその意味を自分で調べるようになることです。例えば、大流行している「鬼滅の刃」は小学校低学年にも大人気ですが、内容は明らかに小学校低学年レベルの漢字や用語ではないですよね?「~の呼吸」という言葉が流行りましたが、「呼吸」という言葉が出てくるのは小学校3年生ぐらいです。しかし、小さいお子さんでも「呼吸」の意味をちゃんと理解していませんでしたか?図鑑はハードルが高くても、マンガならすんなり頭に入ってくるんです。さすがに大人が読むような内容のマンガは見せない方がいいですが、少年漫画や少女漫画なら買ってあげてください。ちなみに、先ほどの学力がかなり高い生徒さんの共通点2つ目は「マンガを読んでいる」ことです。本だけでなく、マンガすら読んでいないお子さんは学力が低くなる傾向があります。
ここでの注意点ですが、マンガにしても図鑑にして、必ず「紙媒体」で読ませてください。今ではスマホやタブレットで本の内容が読める時代ですが、単純に目に悪いので紙の方がいいです。
また、お子さんが自然と図鑑やマンガ・本を読むようにするのは、保護者の方が自ら読む姿を見せることです。自分が読まないのに、子どもに強制するのは絶対に習慣化しません。小学校就学前のときにも書きましたが、子どもは一番接している人の真似をします。お父さん・お母さんが本やマンガを読んでいると自分も読みたくなり、実際にものもあるので自然と自分で読むようになるんです。両親の学歴が高いと子どもの学歴も高くなるのは、塾に通わせるだけの収入があることよりも、学歴の高い両親は本を読む習慣があって自宅に本があることの方が影響していると私は考えています。なので、お子さんが小さいときから一緒に図書館に行く習慣を付けるだけでも全然違うと思います。
子どもの学力を上げるのに一番大切なこと
ここまで具体的なことを書いてきましたが、子どもの学力を上げるのに一番大切なことは「子どもとたくさん話す」ことです。絵本を読んでいても、図鑑を読んでいても、子どもがわからない言葉が出てきます。そのときに、「これって何?」と聞かれたら「それは~という意味だよ」という会話がたくさんあればあるほど子どもの知識はどんどん増えます。塾で三者面談をしている際に、学力が高い生徒さんと保護者の方の会話はとても知的ですし、親子でたくさん話し合っています(たまに言い争いになりますが(笑)。どうしても中学生ぐらいになると反抗期になって親子の会話が減ります。だからこそ、反抗期前のうちからたくさん親子で会話をしてください。子どものうちから大人との会話が多いと語彙力が上がります。保育園や学校の先生とはそこまで踏み入った話をすることはないと思いますので、スマホの画面ばかり見せるのではなく、本や絵を見ながら子どもの知的好奇心を増やす会話を増やしましょう。