久しぶりの投稿になってしまいました!塾長の坂根です。
今回は、英語の長文を早く読むのに必須のテクニック『スラッシュリーディング』について説明していきます。
共通テストのリーディングはとにかく文章量が多く、いかに早く読むかが点数アップの鍵になります。「単語はわかるのに英文の内容がわからない」「英語のマーク模試が全然時間が足りない」という方は是非この記事を参考にしてみてください。
スラッシュリーディングとは
まず『スラッシュリーディング』とは、英文のかたまりごとにスラッシュ(/)を入れて、前から順に訳していく読み方のことを言います。以前の英語の記事でも書きましたが、英語は日本語と文法が全く異なるため、単純に前から単語を追っていくだけでは意味がわかりづらいです。よく「英語は後ろから訳していくとわかりやすい」と言われるように、英語と日本語は全く逆の語順になっているのです。
しかし、英語が苦手な人でも「I play the piano every day.(私は毎日ピアノを弾きます)」ぐらいの一文なら頭から読んでも簡単に訳せますよね。つまり、英語が苦手(中学レベルの英語はわかる)人が英文を訳せない理由は、「一文が長すぎてどうやって訳せばいいかわからない」状態にあることで、『スラッシュリーディング』をする一番の目的は、長い一文を自分の訳せる単位まで小間切れにすることで、一文全体を理解しやすくすることなのです。
スラッシュリーディングの基本
ここからは具体的にスラッシュリーディングの方法について解説していきます。スラッシュを入れるタイミングは大きく分けて以下の通りです。
・接続詞(when,because,thatなど)の前
・不定詞(to+動詞の原形)の前
・分詞(現在分詞、過去分詞)の前
・関係代名詞(thatなどの省略されたものも含む)の前
・長い主語と動詞の間
あまり細かく分けすぎても訳しづらいので、この5通りのルールでスラッシュを入れます。それでは実際の英文にスラッシュを入れてみましょう。
- ≫It is sometimes difficult to go to sleep when we have a problem.
あまり難しくない例文ですが、先ほどのルールの通りにスラッシュを入れてみます。
It is sometimes difficult /to go to sleep/ when we have a problem.
訳すときはかたまりで訳します。「時々難しい/寝ることが/私たちが問題を抱えるとき」という感じです。かたまりで訳しても意味はわかりますね。不定詞の訳し方は3通り(~するため,~するべき,~すること)あるので、どの訳し方かわからないときは〈~するため〉か〈~すること〉にするといいです。では次の例文です。
- ≫The teacher working in the school will tell us how to use the computer.
パッと読んだだけでは読みづらい英文になってきましたね。スラッシュを入れてみましょう。
The teacher /working in the school /will tell us /how to use the computer.
「その先生/学校で働いている/私たちに教えるだろう/コンピューターの使い方」
Working の前のスラッシュは「分詞の前」のスラッシュです。分詞も関係代名詞も直前の名詞(先行詞)の内容を説明する文がそれぞれの後ろにきます。とくに分詞は動詞と混同しやすいので注意です。また不定詞の場合、必ずしもto+動詞の原形の前にスラッシュするとは限りません。例文のように疑問詞+to 動詞の原形はこれで一つの熟語のようなものですし、Want to(~したい)やhave to(~しなければならない)も熟語なのでそのまま訳しましょう。これらを踏まえた上で、もう1つ例文を見てみましょう。
- ≫Many men and women worked together to find how to send some people to the moon.
→Many men and women worked together/ to find/ how to send some people to the moon.
「たくさんの男女が一緒に働いた/探すために/何人かの人々を月に送る方法」
例文③のように、「to」のような前置詞が一文にいくつもあると訳しづらいと感じる人が多いと思います。普段あまり前置詞を意識していないという人は、前置詞の前にスラッシュを入れると読みやすくなるはずです。
スラッシュリーディングの実践
ここからは実際に共通テストの英文を使ってスラッシュリーディングをマスターしていきましょう。以下の英文は「令和4年度共通テスト本試験」のリーディング問題の第5問題を抜粋したものです。
It occurred to him that it might be possible to create an electronic image on a screen using parallel lines,just like the rows in the field.
このような長さの一文になると訳すのが難しくなりますね。スラッシュを入れて読みやすくしてみましょう。
It occurred to him /that it might be possible /to create an electronic image on a screen /using parallel lines,/just like the rows in the field.
「彼に起こった/可能かもしれない/スクリーンにビットマップ(エレクトロニックイメージ)をつくること/平行線を使っている/まるでフィールドの列のような」
なんとなく一文の意味が分かればOKなので、カタカナで聞いたことがある単語はそのままの発音で訳していきます。英語が読み慣れている人は頭からかたまりで訳して先に読んでいきますが、まだ英語が苦手な人はスラッシュを引いて後ろのかたまりから訳してみましょう。ただ、後ろのかたまりから訳すと時間のロスになるので、スラッシュが正確に引けて英文に慣れてきたら、頭のかたまりから右方向に向かって訳していきましょう。
スラッシュリーディングを地道に行っていくと、だんだんとスラッシュを入れる数が減っていきます。スラッシュの数が減るほど早く読めているということになりますが、最初のうちは焦らずに正確にスラッシュを入れてください。スラッシュがちゃんと入れられたら英文全体の大枠が大体つかめるはずです。共通テストレベルであれば英文全体の7割ぐらい理解できれば問題は解けるので、詳細に訳すよりも速読の方を優先してください。
まとめ
スラッシュリーディングのやり方はわかってもらえたでしょうか。スラッシュリーディングができるようになれば英文を速く読めるだけでなく、英語検定のリーディングや国公立大学の2次試験・難関大学の和訳問題にも応用できます。英文読解ができれば英語は得意科目と言っても過言ではないので、地道にたくさんの英文を読んでいきましょう!