こんにちは!塾長の坂根です。
前回の記事で『絶対値』の基本を解説したので、今回は応用問題の解説をしていきます。
絶対値に限らず、数学の問題で難しいのは「場合分け」です。
「〇<aのとき~」「〇<a≦□のとき~」の求め方や書き方がわからない人が多いですよね。「場合分け」は問題や単元によって求め方が違いますが、パターンは決まっているので、同じような問題を何度も繰り返していればできるようになります!
今回は絶対値の方程式と不等式の場合分けの仕方もお伝えします。
さっそく問題に入りましょう。次の方程式を解いてみてください。
「 |x-1|+|x-2|=x 」
前回の記事でもお伝えしましたが、絶対値の問題で一番考えないといけないことは
「絶対値の中が+なのか-(マイナス)なのか」です。
絶対値の中が-(マイナス)のときは、()の前に-をつけて()をはずすんでしたね。
上の問題でも同じように考えますが、絶対値が2つあるのでそれぞれの場合分けが必要です。
1,まず一番考えやすい、2つの絶対値の中がどちらも+(0以上)のときの条件を考えます。どちらも+ (0以上) の条件は、「xが2以上」のときです。|x-2|の中が+(0以上)なら、必ず|x-1|も+になりますね。
つまり、2≦xのとき、方程式は(x-1)+(x-2)=2となります。
これを解くとx=3になり、 2≦x を満たします。
2,次に考えるのは、2つの絶対値の中がどちらも-(マイナス)のときです。1のときとは逆で、 |x-1|の中が-ならもう一方も-になるので、そのときの条件は「xが1より小さいとき」です。
つまり、x<1のとき、方程式は-( x-1) -( x-2)=2と なり、
これを解くとx=1になり、これは x<1 を満たしません。
3,ここから難しいのは、2つの絶対値のどちらも符号が違うので、場合分けがわかりづらいのです。
しかし、1と2でxが大きいときと小さいときを出しているので、この間にあるxの範囲だけ考えればいいのです。
つまり、「xが1以上で2より小さい」ときは|x-2|だけが-になり、
1≦x<2のとき、方程式は ( x-1) -( x-2)=2と なり、
これを解くとx=1になり、これは 1≦x<2 を満たします。
よって、求める解は x=1,3となります。
さぁ、次は皆さんが一番苦手な不等式問題にいきましょう!
「 |x-1|+2|x-3|≦11 」
不等式の問題も、基本的には方程式のときと同じです。
1, 2つの絶対値の中がどちらも+(0以上)のときの条件を考えます。どちらも+ (0以上) の条件は、「xが3以上」のときです 。
つまり、3≦xのとき不等式は、x-1+2(x-3)≦11
これを解くとx≦6 不等式のときは場合分けしたときの文字の範囲との共通範囲を出すので、
3≦x≦6となります。
2,次に 2つの絶対値の中がどちらも-(マイナス)のときです。1のときとは逆現象がおこるんでしたね。ということは、「xが1より小さいとき」にどちらも-になります。
つまり、x<1のとき不等式は、 ー(x-1)ー2(x-3)≦11
これを解くとx≧-4/3、 x<1 との共通範囲は -4/3≦x<1 となります。
3,最後は1と2の場合分けの間にあるxのときでしたね。
つまり、1≦x<3のとき不等式は、 x-1ー2(x-3)≦11
これを解くとx≧-6、 1≦x<3 との共通範囲は 1≦x<3 となります。
よって求める解は1・2・3の共通範囲になるので、-4/3≦x≦6 が答えです。
以上が絶対値の方程式と不等式の解説です。何となくできるようになりましたか?
絶対値関連で押さえないといけないのは、絶対値の中に文字があるときは+のときと-のときにわけることです。
例えば、y=|x+2|のグラフを書くときは、xがあるので±の2種類のグラフを書くことになります。
y=x+2のグラフと、y=ー(x+2)つまりy=-x-2のグラフを書くということです。
この絶対値の基本を押さえていれば、大体の問題が解けるはずです。
この記事でちょっとまだわからない方は、前の絶対値の基本記事に戻ってみてください。そして、同じような問題を教科書等で何度も解いて、絶対値の問題を完璧にしましょう!